『ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン』
初めて観ました。
心が洗われました。
すばらしい、絵も、音も、言葉も。
日本はこんな美しいものを
創造しうる国なのですね。
燃えていません。
燃えています。
燃えていません。
良きドール(手紙の代筆業「自動手記人形」)とは、人が話している言葉の中から伝えたい本当の心をすくい上げるもの。
あなたは今、その一歩を踏み出したのです。
ヴァイオレット。あなたが良きドールになりますように。
燃えています!
自分がしてきたことでどんどん体に火がついて、燃え上がっています!
ヴァイオレットだ。
成長すればきっと君はその名前にふさわしい女性になる。
君は道具ではなく、その名が似合う人になるんだ。
私も首を垂れ、私心を捨て、
良き尸童(よりまし)になりたい。
いにしえびとの伝えたかった思い、
掬いあげたい。
10月24日、息子を模擬試験に
送り出した私と主人、
時間つぶしに東大寺境内を散策。
二月堂へ向かう道。
仔鹿を手懐けようとする主人。
「鹿煎餅は?」
「ナッシング」
手ぶらの人間には仔鹿も
これ以上は寄ってきてくれません。
かと言って、離れもせず。
草たーべよ。
うわぁ、後光が差しています。
この子、神様かもしれない。
8時30分、元来た道を戻り、
工場跡事務室を目指します。
んん? 前方に鹿が2匹?
おーい、道の真ん中、
のかんかーい、
車に轢かれるがなー。
戒壇堂の石段の前まで
なんとか道を渡りましたが。
中途半端に固まったお二方。
車を当然のように迂回させ。
工場跡事務室へ。
ここはその名のとおり、
乳酸菌飲料製造の工場跡。
リッチなモーニングがお薦めの
喫茶店です。
アペリティフの林檎ジュース。
このカフェ、
息子が生まれる前に主人と来ました。
これはおいしそう!
大人気のモーニング、
一度食べてみたかったのです。
添えられた木の実が造形的で
「これ食べられますか?」と
思わずご亭主に訊ねてしまった私。
「アーモンドと葡萄で、食べられます。
葡萄の枝は食べられないほうが……」
ご亭主はちょっと躊躇された後、
丁寧に説明されたので、主人が苦笑。
「食べられへんもの出すわけない、
そんなこと訊く?」と主人、失笑。
「そんなつもりで訊いたんやないッ」
と私、憤慨。
さすがの私も鹿やないんで、
葡萄の枝まで食べまへんがな!
和紅茶ベースのハーブティー、
ジンジャーをチョイス。
食材はどれも上質で、
東大寺境内の背景も上質で、
心の皺が伸びる朝食に、うっとり。
パンにサラダに玉子料理に
飲み物とヨーグルトと果物、
普通のモーニングのメニュを
グレードアップした内容。
ホテルの朝食と同程度の料金ですが、
東大寺の借景と穏やかな空間で
相殺される値段です。
9時には売り切れのモーニング、
8時30分の開店に合わせて
入店するくらいでベストです。
トイレの場所を
先に使用した主人に訊いたのですが、
主人の説明は長嶋監督タイプで
さっぱり要領を得ず、
お店の方に案内してもらいました。
戻ってくると主人またも失笑。
「すぐそこやん、なんでわからんの?
店の人に迷惑かけて」
「おたくの説明ではわからんわよッ」
私またも憤慨。
主人、かまわず噴き出し笑う笑う。
お店の方に、確かに私は
お手数おかけしたかと。
「ママはまじで悪目立ちする。
だからどこ行っても
覚えられてしまうねん」と主人。
葡萄の枝を食べるような
浮世離れした人間に
思われるってこと?
やばいやん。
外観も素敵。
築90年だそう。
息子はまだ5年生なので、
算数と国語だけ模試を受けます。
10時30分に試験終了です。
なので10時に店を出ました。
有意義な暇つぶしでした。
息子を試験会場まで迎えに行って、
きたまちをぶらついてから
『とよのあかり すずの音』で
昼食を取って、ならまち、
興福寺、東大寺をぶらぶら、
吉城園へ。
興福寺塔頭摩尼珠院の跡地です。
奈良県所有の日本庭園。
2020年からは
入場料が無料になりました。
「パパとママだけモーニング食べて!
おらは一人で試験受けてたのに!」
息子、おかんむり。
「おらが生まれる前に行ったお店、
次はおらも連れていってね」
拗ね方も、かわいいなぁ。
隣の依水園を北上すれば
東大寺戒壇堂の正面。
つがいの鹿が固まったのは
戒壇堂の裏門。
にぎやかな修学旅行生たちが
脇を通り過ぎて東大寺を目指す。
ここは穴場の静けさです。
冬が訪れるまでの
ほんの僅かな享楽かもしれない。
それでも錦秋の寧楽の妙味、
伝えられれば幸いです。