奈良大学通信まよい鹿

奈良大学通信教育部に入学しました

反転された黄道 ~キトラ古墳壁画天文図~

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第17回国宝キトラ古墳壁画の公開、
行ってきました。
今期の公開壁画は
西壁の白虎と天井の天文図。

昨日の9時45分の一番で観覧しました。
コロナ対策で、
壁画管理室に入室できるのは
10名15分。
ゆったり観られて嬉しいのですが、
これも勿怪の幸いなので、複雑で。

相変わらずのキトラ古墳壁画の
保存状態の良さに瞠目。
四神は青龍以外、あざやかです。
天文図につきましては後述。

壁画管理室を出る際、
「過去のパンフレットご希望の方は
お声をかけてください」の掲示あり、
お訊ねしますと、
今までのパンフレットを
在庫分すべてくださいました。
なんでも言ってみるもんですね。


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今回注目の天文図。
入場記念の絵葉書をいただきました。

実物の壁画はさすがに
こんなに精彩ではありませんが、
それでも金の太陽と銀の月と
内軌のなかの星座は
はっきりと肉眼で確認できました。

4つの軌道のうち、
中心線がずれている唯一の軌道、
黄道に注目。


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10時半から特別ギャラリートーク
『ダジック・アースから見る宇宙、地球』
京都大学大学院理学研究科准教授
齊藤昭則先生の講演を聴講。

直径2mの球形スクリーンを用い、
日本天文遺産に認定された
キトラ古墳壁画天文図について、
10歳未満には難しめの講義でした。
息子、ぎりぎり理解していたかな。

www.dagik.net
ダジック・アースについては
上記URLをご参照のほど。

私は子どものころ
天文学者になりたかったので、
私が一番意気込んで
参加していたような。
算数が数学に進化した段階で、
理系の最たる天文学者への道は
「ダメだこりゃ」と諦めたのです。

でも、おとなになった今も、
星は大好きです。
星空はあまりにも美しく、
吸い込まれそうになる、
吸い込まれてもかまわない、
酔い痴れ続けています。


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講義の前に受付で渡された
キトラ古墳壁画の展開図。
折り紙で箱を作る要領です。
被葬者の側から見た天文図。


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さきほどの天文図の裏面。
天球儀は、神の目線。
すんごい注意深い作業。
さすが京大理学部の仕事。

さて、ここで講演のhighlightを。
齊藤先生はたいへん理知的ながら
判り易い誠実なお言葉で
地球と宇宙のお話をたくさんして
くださったのですが、
私が最も鼓膜を刺激されたのは、
キトラ古墳壁画天井の天文図の
黄道だけが反転して描かれているという
事実でした。

齊藤先生は古代史の専門家では
いらっしゃらないので、
理学博士の視点で
「僕は、壁画職人が天文図を
写し間違えたという通説は
安易だと思うんです。
星の動きを読める天文図は
当時、最高機密であって、
完全体では盗用される惧れがあり、
敢えて黄道を反転させたのでは」
との見解を述べられました。

私は、偶然、
少し前にこんな記事を読んでいまして、
「もしかしてそれって彗星の軌道?」
そう思い返してしまいました。

初期に黄道面にいた長周期彗星がオールトの雲を経て再び惑星領域に戻ってくるときの遠日点方向は2種類あるとする。初期値である黄道面か、銀河面に対して黄道面を反転させたもう1つの仮想的な面(樋口特任研究員は「空黄道面」(empty ecliptic)と命名)のどちらかであることが導かれたとした。
www.miz.nao.ac.jp

もしそれが彗星の軌道だとしたら、
そんなものを読めた古代人は
「おったまげ」な天才集団です。
これは紀元400年頃の天文図。
その時代に反転する黄道を算出なんて、
さすがに。ロマンは満ちますが。

何より彗星は凶兆で、
しかも帝王の失態を示唆するもの。
となると、
キトラ古墳の被葬者は……
背筋が凍りました。

すべてこれ、私の妄想ですが。

とにかく、安易な通説は
私も否定したいところです。


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齊藤先生の研究チームの皆さんより
たくさんお土産をいただきました。
理系のお勉強、いいものですね。
数字は世の中にdirectに響くので。


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11時半より特別ワークショップ 
『オリジナル月球儀作り』
講師は京都大学大学院理学研究科
研究支援推進員の小田木洋子先生。
齊藤先生の研究グループの先生です。


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磁石の重しを入れた
プラスティックの球に、
月球儀の舟形多円錐図法の
シールを貼っていく。
……これ、難しいで!


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私があらかた鋏を入れ、
息子が細部をチョキチョキ。


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赤道の「あたり」を抑えるのがキモ。
私が赤道の見当をつけて、
息子がシールを貼る、連携プレイ。


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クレーターに絵柄を合わせて、
シールのしわは気にせず、
いまはとにかく貼っていく。


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なんとか貼れた!
スプーンの背で撫で、しわ伸ばし。
撫でれば撫でるほど
しわは消えるそうです。


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一番乗りで出来上がり。
参加者は、
小さな子が多かったのです。
小田木先生「僕は何年生?
4年生か! やっぱり手が大きいね。
お母さんも器用ですね、
お二人とも上手で、
手作業がお好きなんですね」と。
私も実に大人げない、
真剣に手作りしてしまうんで。
息子は記念撮影されていました。


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「おらの月だよ」
「これ、お金かかったの?」
主人の問いかけに私は首を横に振り。
ギャラリートーク
ワークショップも
なんならキトラ古墳壁画観覧も、
参加費材料費すべて無料、です。
お国のお金、です。
ありがたい。糧にします。


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アポロ11号の着陸地まで
明確に記載された月球儀。
兎の模様に世界列強の国旗。


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息子の胸に貼られているのは
キトラ古墳壁画保存管理室の入室証。
今回の催しが一番良かったです。


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キトラ古墳へ来れば、車で10分、
高取町の「すこ。」さんのランチを
テイクアウト。
数日前に予約注文しておかないと、
お昼前には売り切れ必至です。

今現在の於美阿志神社、
渡来人東漢氏の氏寺跡、
檜隈寺跡の裏でピクニック。

こら息子!
スコーンを箸でつつくな!
スコーンは手で食べるもの!


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ローストポークと人参シリシリ、
野菜のキッシュに薩摩芋、
胡桃のサラダに柿、
ブルーベリージャムを添えた
紅茶スコーンとプレーンスコーン。
秋バージョンのスコーンランチ。

あー、やっぱり
飛鳥のピクニックランチは
すこ。さんでないと。


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かわいいビジュアルなのに、
量が半端ない。
このギャップが素敵なんだよな。


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腹ごなし。てくてく。


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うわ! 犬のフン!


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さっきの、犬のフンだよね。


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猪のフンだったらどうしよう。


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檜隈寺跡前休憩案内所。
ここ訪れるの、2年ぶり。


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息子、しみじみでっかくなった。
「よその子とゴーヤは成長が早い」
とは博多華丸大吉さんのネタですが、
息子、当然うちの子なのに、
ゴーヤみたいに思えます。


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すこ。さんの看板スコーン。
甘くなくて大きくて、
本当においしい。
私自身への飛鳥のお土産です。