奈良大学通信まよい鹿

奈良大学通信教育部に入学しました

君は自由の身だ。泣いている場合ではない。 ~西洋史特殊講義①~

ハリウッド黄金期の映画
スパルタカス』を
ときどき再見したくなるのは、
「I'm Spartacus!」 の感動シーンより、
奴隷商人バタイアタスと
民主派の元老院議員グラッカス、
この二人のふとっちょ(失礼)が交わす
冷笑的かつ実践的な会話が目当てで
あったりします。


「私は実利主義だ。たとえ貴族の身の上でも罪人とも取引して、得るべきは得る」
「誇りなど、飯の種にもならん。命を縮めるのがオチだ」
「おまえに勇気を授けてやろう。それに50万セスタース、くれてやる」

ローマ民主制の良心、グラックス兄弟
グラッカスのモデルですが、
なんかもうこの映画では清濁併せ吞む
怪人物として痛快に描かれています。

それでも、
スパルタカスの妻と子を
奴隷身分から解放してあげたときの
グラッカスの台詞は、
身が引き締まると同時に
万感胸に迫って、たまりません。

「君は自由の身だ。泣いている場合ではない」


バタイアタスはピーター・ユスティノフ
グラッカスはチャールズ・ロートン
どちらも英国俳優、これが味噌です。
イギリス人はほんとうに
煮ても焼いても食えない、
たいした、たまげた、連中です。

いやこれhommageなのです、
私からイギリス人への。


奈良大学通信の各論、
西洋史特殊講義の教科書が
何気に図書館で手に入ったので、
読んでいるうちにつらつら
思い連ねた点描ではあります。


ローマの歴史 (中公文庫)
十代の頃に読みふけった
古代ローマの通史です。
イタリア人は、
その書くものもノリがいいです。
五賢帝までは、面白くて面白くて。
筆が失速したように見えるのは、
仕方ないです、
古代ローマ自体が萎んでいくので。


「私は脅迫の言辞を弄するのは嫌いだが、実行するのは簡単だ」
独裁官の称号を元老院へ要求した際の
ユリウス・カエサルの言葉。
これは、私には、
政治におけるイギリス人のmentalityに
かなり近いものがあると思えるのです。


ヨーロッパは、
古代ローマの精神も礎としています。
イギリスも、ローマではありました。