奈良大学通信まよい鹿

奈良大学通信教育部に入学しました

世にあれば 世を思ふばかりぞ ~東大寺二月堂~

f:id:keikakeikakeika:20200322234600j:plain
先月、桜が咲き始めたころ、
東大寺へ行きました。


f:id:keikakeikakeika:20200322234748j:plain
用向きは、
奈良親子レスパイトハウス
10年の歩みの写真展。
写真集、頂戴しました。


f:id:keikakeikakeika:20200322234624j:plain
ご存じの方もいらっしゃるかも。
東大寺大仏殿の中に、
奈良親子レスパイトハウスへの
義援金箱が設置されているのです。
二月堂にも、設置されています。


f:id:keikakeikakeika:20200322234648j:plain
「おー、かわいこちゃん。
 おなか空いてへんか?」
「おかげさまで、だいじょうぶ」
「はるかむかしに、もどったんかな。
 鹿のほうが人より多い」
「瓊花、どこ行くん?」
「二月堂やで」
「お水取り、なんで来おへんかったん?」
「ごめりんこ」
「今年のお水取り、ほんま静かやった。
 はるかむかしに、もどったみたいやった」

もどれるものなら、もどりたいね、
パンデミックのまえの世界に。


f:id:keikakeikakeika:20200322234709j:plain
春霞 たなびく山の 桜花
見れどもあかぬ 君にもあるかな

桜の花を見飽きることがないように、
あなたに会うのも飽きることがない。


紀友則の和歌。
東大寺二月堂こそ、
私の、私たちの、見れどもあかぬ君。


f:id:keikakeikakeika:20200322234729j:plain
二月堂の欄干。
お松明の跡のくぼみ。
この建物は江戸時代に再建されたので
350年ほどの歴史しかありませんが、
創建時の形式を律儀になぞったものなので
奈良時代の面影を湛えています。

修二会、
752年から滔々と切々と続くその祈りは、
この惜別の春、薄暗がりにある私の心に、
花園天皇御製の祈りを重ね、
すうっと燭(ともしび)を点してくれました。


今更に わが私(わたくし)を 祈らめや 
世にあれば 世を思ふばかりぞ

自分のことなどどうでもいい。
皆と共に生きるこの世を祈るばかり。