奈良大学通信まよい鹿

奈良大学通信教育部に入学しました

遠足は一心で 文化財学講読Ⅱ②

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スクーリング2日目、狐が跳ねる晴天。
私は晴れ女。
お稲荷さまに守られているそうです。

奈良盆地北辺、平城山から下ツ道を南下。
ここは橿原市の藤原宮跡。
西の青い山並み、畝傍山
二上山と金剛葛城山脈、私の産土。
私には当たり前の風景も、
遠近(おちこち)より訪ねてこられた
皆様には眷恋の地、やまと。
うん、遠足として参加すると、
いつもとちがった風景に見えてきました。

藤原京の京終、初めて意識しました。
橿原市から明日香村と桜井市にまで、
一辺5.3km四方って、
ひえっ、なんぼほどひろいねん。
深澤先生の実地に根差した説明は、
毛穴から細胞へ浸透します。


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深澤先生が毎日通われた
奈良文化財研究所藤原宮跡資料室。
いっつも飛鳥に行くたび、
その存在は目端に入るのですが、
まともに立ち寄ったのは
小学校の遠足以来かな、です。
びっくりした、
すばらしい施設でした。

大伴旅人藤原京最後の元旦、
隼人を率いて行進した場所も、
深澤先生はほぼ掴んでいる、と。
そんなこと、現場で聞くと、
ゾクッとしました。
隼人の楯の音が聞こえてきそうで。

藤原京
専制君主持統天皇の夢の跡。
今は雲雀が鳴く草野原です。


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午後は桜井市大神神社
正式には三輪明神
私は「みわさん」と呼んでいます。
三輪の地元の方は
「明神さん」と呼ぶそうです。

奈良大学出身の先輩、
山田権禰宜さまが
大神神社での我々の講師。
山田先生と深澤先生が談話中の頭上、
三輪山を霞めるかの、すごい雲。

……龍や……。

私、唖然。


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拝殿の前の注連縄。
ここでいきなりFMラジオのイヤフォンが
ラジオの本体ごと石段におっこち、
バチバチッと爆ぜる音を私の鼓膜に
ぶつけました。
私、とびあがりました。
耳に雷が落ちたかと思いました。

今日は一体全体どうしたの!?
私は霊感なんかマイナス40度の
シベリアなのに。

とにかく平身低頭、
注連縄をくぐりました。


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巳の神杉。みいさん(白蛇)のお住まい。
お酒と玉子が供えられています。
ちなみに、私の実家の天井裏にも
みいさんが住まっていました。
白い小さな蛇で、
私が最後に目にしたと思います。

山田先生に
「私の実家近くの
葛城市の長尾神社は龍の尾、
私が生まれた病院近くの
大和高田市龍王宮は龍の胴、
そして桜井市大神神社
龍の頭と言われています。
大和平野の東西に横たわる龍。
まさにドラゴンクエストです。
しかし、蛇を龍と一緒にするのは、
どうなのでしょう?」と私は問いました。
山田先生のお答えは
「この三輪山の神域で、
龍を感じた、目にしたと仰る方は、
いらっしゃいます」でした。
私は、
さっき見た雲を思い出しました。

「山田先生、ありがとうございました。
うちの息子はこちらで初宮を
お祝いしていただきました。
おかげで健康に育っております」
「それはぜひ、次の機会に
息子さんともどもお参りください」
私は山田先生に名前を訊ねられたので
名を名乗り、
それから拝殿にご挨拶をしました。

「あ、息子に子持ち勾玉、買ったげよう」
翡翠の子持ち勾玉を買いました。
石の冷たさは、気持ちをなだめます。
龍に呑まれたような昼下がりでした。


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山田先生は
三輪山の登山をそうそう推奨は
されていませんでした。
私は、三輪の地元の方にも
「物見遊山で登る山やないで」と
言われていましたので、
登るとしたら何か覚悟の上で、
と決めています。


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青緑はイスラームの色。
回は回教徒の意味。
イスラーム教徒に向けた看板です。
豚肉つかってないよ、の意味。

遠足の最後は天理参考館。
深澤先生の仰ったとおり、
膨大な作品群です。
この潤沢な雰囲気、
信楽のミホミュージアムに似ています。
こちらもあちらも、
資金源が宗教団体だからでしょうか。

まあ、イデアはこの際どうでもいい。
一般へ還元する精神、それが尊い


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かわいいなあ、まるで天使です。
迦陵頻伽の瓦です。
もっとかわいい、悪魔のような
迦陵頻伽の瓦も撮影したのですが、
ピンボケ。
掲載不可、です。


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この唐三彩はピンボケではありません。
もとから淡い、あえかな顔立ちです。
私は博物館美術館へ行くと、
「これが欲しい」との目線で作品を見ます。
駆け足で眺めた天理参考館で
最も心ひかれたのは、
このえもいえぬ青緑の衣の女性。
つれてかえりたい。


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学芸員の青木先生の確かな説明。
トルファンから大谷探検隊
持ち帰った伏羲と女媧。
古代中国の創造神です。
これはレプリカですが、
天理参考館、すごい収集力。

深澤先生もごくごく普通に
シルクロード諸国の話をされます。
私はこのあたりは
必死のぱっちで勉強したので、
すらすら呑みこめました。

勉強って、楽しい。
この定規とコンパスを持って睦みあう
兄妹神の絵。
この一幅にどれほどの物語が
籠められているか、
わかるのです。

一心不乱で勉強したシルクロード学。
楽しかった、苦しかったけど。
苦しかったけど、楽しかった。
兄妹神はつがいの蛇のように、
あざなえる禍福の縄のように、
西域への情熱を、焚きつけます。

こんな充実した遠足、
二度とない時間でした。