奈良大学通信まよい鹿

奈良大学通信教育部に入学しました

くすりがりノスタルジア 高取城下町

……瓊花さん、やっぱり、
夏休み関係なく、遊び散らかしてる。
そう思われても弁解の余地もなく、
今回も「奈良だより」レポートです。
もともと週末は家族と近隣へ出向く、
それが私のルーティンですが。

開き直る前に、学業「progress」も一筆。
試験に当て込むはずの日程、
悉くPTA行事に重なり、お下劣ですが、
「ちっくしょ~ッ! くたばれPTA!!」
と罵声をあげるよりほか、すべもなく。
いや、奈良大学通信教育部には、連絡を。
「本年度で消化できなかった試験は、
来年度に持ち越せますか?」と。
webメールのレスポンス、早い早い。
「もちろんです」と。

ああ、一安心。
レポートの本年度の予定は、
なんとかこなせました。
文化人類学の結果は、来年度すべりこみ。


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16日は、またも飛鳥へ。
大阪市内出身、「街の子」の主人、
のんびり羽を伸ばせる飛鳥がお気に入り。
月に一度は飛鳥に向かいます。

11時30分、早めに来たつもりが、
もうテーブルは満員。
昼食、ASUCOMEの「すこ。」さん。
私は大好物のスコーンランチ。
バタフライピーのノンアルコールカクテル。
私の写真の腕では透明感が表現できない!


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息子はガパオライス。
和風なので、柚子胡椒が添えられています。
おっしゃれ~☆
「おしゃれだけじゃないよ、おいしいよ」
息子の正直な感想です。


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主人は1000円のランチを注文。
すごいボリューム!
唐揚げも大きくて、野菜もたっぷりで、
シフォンケーキのデザートとドリンク、
大満足のランチに主人大喜び。

息子もそうですが、男の人は、
おしゃれなだけのごはんは、苦手です。
すこ。さんのランチは、
男の人の胃袋もつかんで離さない。
大人気のお店、
週末はお昼過ぎには完売です。


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おみやげのスコーン。
選べなくて、全種類購入しました。
おまけのかけらも。
ここのスコーンは甘くなくて、私好み。

いつかASUCOMEを卒業されて、
明日香村のどこかでお店を出されても、
すこ。さんは大丈夫、繁盛されるはず。

飛鳥にごはんを食べに行く。
そんな楽しみ方もあるのです。


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午後からは、高取町へ。
明日香村、キトラ古墳を南へ進めば、
自然に高取町の土佐街道へ入ります。
ここは、山城からふもとへ、
武家町、町人町と展開される、
景観が保全された城下町です。

いやあ、なかなかすてきな町です。
雛祭りの頃は、町家が雛飾りを
一般に披露してくれるなど、
華やかな時期もあるのですが、
普段は登山客も観光客もまばら、
でも、そのおだやかさが、たまらない。
絶対に初めて訪れた町のはずですが、
怒涛のノスタルジアに襲撃されました。

土佐街道、高取の土佐という地名、
6世紀の頃、大和朝廷の労役として
土佐から来た人々が住まった名残です。
上子島は「かみこしま」と読みますが、
「かごしま」とも読むそうで。
九州からも、人を募ったのでしょう。

いやもう、なんも知らんかった……。
人を募る、なんて、美辞麗句。
実際は、人を狩ったのです。
みんなどれだけ故郷に帰りたかったか。
地名は、祈りです。
またもノスタルジアの波が押し寄せ。


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観光案内所「夢創舘」。
むかしは呉服屋さんだったそう。
ちょっと一服、ラムネをいただきました。
なつかしい、奈良の町家です。
私の実家も祖母が元気な頃は、
こういったおもむきをたたえていました。

ちなみに私の祖母は98歳で大往生しました。
「村のCIA」と仇名されるほど(爆)、
まっすぐな背筋と健脚を武器に巷を偵察、
新聞の隅から隅まで虫眼鏡で読みつくし、
日々これ情報収集に余念のない祖母でした。

古都、奈良に生まれ、奈良に生きる女は、
みんなけっこう芯が強い、です。
ちなみに私は、隔世遺伝の孫娘、です(笑)。


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夢創舘の裏の蔵は、「くすり資料館」。
推古天皇の御世、高取の地は
薬猟(くすりがり)の地として開かれました。


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蔵の中の人形は、案山子、です。
10月から高取城下町では、
案山子祭りが催されるそうです。


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置き薬といえば富山でしょうが、
大和の置き薬も有名です。
高取町はいまも「薬の町」です。


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礼の辻。
対角のおもむきある囲い、
高取城松の門を復元した、児童公園。


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植村家長屋門
高取藩の筆頭家老のお屋敷。
私有地、現在も居住中です。


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なまこ壁。
漆喰に瓦を埋め込む、うつくしい造りです。
訪ねてよかったと思える、武家屋敷の粋。

山の頂の高取城跡までは、
山登りの仕度でないと無理なので、
見送りました。

狐の嫁入り、晴天に小雨。
あまりデジャヴを感じたことのない私が、
この日ばかりは、
なつかしくてなつかしくて、
胸がいっぱいになりました。

徳川の歴史にも武家の時代にも、
さほど興味のない私ですが、
この高取城下町には、ノスタルジア
いだかずにはいられませんでした。

タルコフスキーの最高傑作の映画、
思い出しました。
自由のために捨てた故郷、
帰れば裏切り者として殺される。
それでも、故郷で死ぬことを選んだ詩人。

ここで生まれたわけではない私が、
ここに帰ってこれた気がしたのは、
太古、故郷からひきはがされた人々の、
蛍のように飛び交う無数のたましいに、
ふれたからでしょうか。