奈良大学通信まよい鹿

奈良大学通信教育部に入学しました

夏の念珠

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8月31日、夏の終わり。
3回目の音羽山観音寺念珠つくり。
今回は主人が仕事でどうしても無理、
私と息子の2人で参加しました。

幸い、曇り空で、酷暑は免れましたが、
電車とバスと山登りとで、
行きは3時間もかかってしまいました。
車だと、音羽山のふもとまで1時間、
そこから山登りは30分もかかりません。

3回目の山登り、
当然、今回が一番えらかった!
「えらい」とは、「かしこい」ではなく、
「もうたいへん」との意味合いのほう。
夏の山登りは覚悟のうえ。
知っていましたが、こりゃもうきつい!
きっつい!!(爆)。

お寺に登りつくと、
かがんだ息子の汗だくの後頭部へ、
お手水の水を柄杓で何杯も何杯も、
浴びせかけてあげました。
息子は「生き返る!」と大喜び。
うまいこと言うね。


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「Rくん、待ってたよ」
副住職の慈瞳さんが息子へ、
本堂から声をかけてくださいました。

さて、参加者全員そろって、
念珠つくりスタート。
「ママ、今日はどんな数珠つくるの?」
「夏の終わりに、檸檬の実と葉と木を」
「おら(息子は自分をこう呼びます)、
今日は緑の龍の数珠をつくる」
そんな会話をしているあいだに、
息子がまたもそそくさと念珠をしあげ、
その色合いがほんとうにきれいで、
私もだいぶ影響を享けてしまいました。
写真、上が私の念珠、下が息子の念珠。
ほんとうに緑の龍、威厳があるある。

皆さんの念珠ができあがるまで、
息子は慈瞳さんのミッションを受け、
あまった石の片づけをしていました。
「僕はほんとうに迷いがないね」
皆さんそう仰ってくださいました。

本堂で一同そろってお経をあげ、
念珠をご祈祷します。
冬はしびれるほど寒かった本堂ですが、
夏はすずしくて、気持ち良かったです。
ときおり風が吹き、
ああこれこそ極楽の余り風と、しんみり。


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さて、お楽しみの“おとき”。
お漬物とおかず味噌の塩分が、
汗をかいた体に染みました。
焼き麩の冷たい煮びたし
これも季節柄、ほんと、おいしかった。

テレビ放映の影響で、
今や「予約の取れない宿」の観音寺。
予約開始の初日の午前で、
年内の宿泊予約が埋まるのです。
私は半ばあきらめモード、
もう「ならリビング」のこのイベントで、
観音寺さんのごはんを堪能しようかと。
でも、このイベント、厳正なる抽選です。
私もいつも当選しているわけではなく、
今回も下手な鉄砲が的に当たっただけ。

観音寺関係者の顔写真のSNSへの掲載、
このイベント参加者には禁じられています。
このイベントに関係なく、
ご住職や慈瞳さんやまっちゃんの写真、
SNSで無断で掲載されている事実に、
観音寺サイドは憂えておられます。

このブログを見ておられる方々、
どうか観音寺さんにご配慮を、
切にお願い申し上げます。


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食後は紫蘇ジュース。
甘くて酸っぱい、おいしい!
このコップにそそぐとお酒のよう(笑)。
かんぱーい☆

ご住職のお話。
けっして人を選んでいるわけではなく、
宿坊として営業できるのは月に2週間ほど。
8月は食中毒の惧れから、宿坊は休み。
お客は一日にひと組、それが観音寺の理念。
ご住職は、いつテレビ放映が終わっても、
なにひとつ変わらないだろう、
瓢然とされた方。
大和の古い歴史に閉ざされた山寺に、
よくぞここまで根を下ろされて。
戦時中、針葉樹の軍用林にされたこの山を、
鼓の原料の、薄墨桜の里にもどしたい、と。


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そう遠くない日に、
薄墨桜の里にもどるかもしれない。

ちょっとしたアクシデントで
帰りのバスを見送った私と息子は、
一時間後の次のバスが来るまで、
慈瞳さんに折り紙を教わりました。
できあがったのは、
伸び縮みする腹ペコ青虫!
息子、大喜びです☆
慈瞳さん、ありがとうございました。

私たちは100年も生きられない。
桜の木は、接ぎ木で生きる、1000年も。
でも、ひとも、桜も、
厳密にいえば命は瞬間に存在するのみ。
夏の終わり、
命について考えながら、下山しました。
疲弊した目には、音羽山のいただき、
薄墨桜の霞が見えました。
あれがまぼろしなら、
いまここにある私も、まぼろし

生きよう。
ただそう思いました。