奈良大学通信まよい鹿

奈良大学通信教育部に入学しました

仏から人へ 美術史概論④

美術史概論の要旨をまとめあげました。
これから週末にかけて、
abstractの骨組みにsentenceの肉付け。
しかし、
こんなに基礎に時間をかけたレポートも
なかったかと。
テキスト『日本仏像史』、
横書きなのが本当に読みづらく、
私は先ず、付録の年表を熟読しました。
この年表、使えます。

歴史学の勉強の三種の神器
私には“資料・年表・地図”です。
参考文献となる資料を図書館で入手し、
年表を自分なりにノートに起こし、
それからテキストの本文に挑むと、
内容がすらすら頭に入ってきました。
このテキストの目次も、使えます。
なにをいまさらですが、
目次はキーワードの宝庫です。

さても日本の仏像。
おもろうて、やがてかなしき……
だんだんと失速していくのですね。
これはもう皮膚感覚で知っていました。
正直、平安時代に入ってからの仏像、
私はあんまり興味がありません。
お好きな方には、申し訳ありません。

運慶も、成人してから、
橋本治氏の『ひらがな日本美術史』で
無著(アサンガ)世親(ヴァスバンドゥ)の
兄弟の菩薩立像を見たとき、
初めて感動したくらいです。
テキストの無著の写真図では
味わえない感動です、ぜひお目通しを。
いえ、やはり、実物、ですね。

やれるべきことはすべてやった、
さきにいくよ、あとはまかせた、
しあわせに、な。
無著の、あの、まなざし。
弟は兄に何も答えられない、感無量で。
世親の、あの、まなざし。

仏像? 美術?
いいえ、これはもはや芸術作品です。
芸術とは?
人が人としてあがきもがいた傷痕、
それが昇華したものです。

なまの運慶作の仏像は、
物心つく以前から寺に連れられ
見知っていました。
円成寺大日如来は覚えています。
忘れられない完成度ですし、ね。
すさまじい天才性を感じさせる、
まさに大日如来、宇宙の真理、です。
一方、
堂内がうすぐらかったのか、
私があんまり幼かったのか、
興福寺の無著世親は覚えておらず。

おとなになって知ったのは、
あらためて無著世親を拝観して
涙をこらえるのに精一杯なのは、
私も人として傷を負ったのだということ。
運慶も人として
万感の思いを込めて
人を見つめたのだということ、
その晩年。


ひらがな日本美術史
全7巻、
日本美術史の通史としてお薦めです。
無著世親が掲載された上記は第1巻です。